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2025.4.30 /
データ持ち出し×コピー×USB破壊そして退職 顧客1万8千名以上影響か【岩手県銀行】
岩手県に本店を置く金融機関の「一関信用金庫」で、元職員により顧客情報が持ち出される事態が発生。
私物USBに保存された1万8316名分の個人情報が流出した可能性が懸念されている。
発表によると2025年3月24日、当時係長級以上の立場にあった本部勤務の元職員は、顧客の氏名や住所、勤務先、年収、口座番号などを含むデータファイルを、内部規定に違反して私物のUSBメモリーに保存し、自宅に持ち帰っていた。
翌25日に信用金庫側が業務用パソコンの利用履歴を点検した際、不審なファイルのダウンロードを確認し、問題が発覚した。
その後の調査で、元職員が自宅の私物パソコンに当該ファイルをコピーしていたこと、さらに別の私物USBメモリーが同パソコンに接続されていた痕跡があることが、専門業者による解析で判明した。
ただし、そのUSBメモリーは元職員によって破壊されており、データがさらに複製されたかどうかの確認は困難となっている。
元職員は信用金庫の聞き取りに対し、「自宅で業務を行うためにファイルを持ち帰った」と説明し、別のUSBメモリーについては「家族の情報が入っていたため壊した」と述べている。
元職員は2025年4月8日付で退職している。
信用金庫によると、当該ファイルには暗証番号など預金の払戻しやクレジットカードの不正利用に直接つながる情報は含まれておらず、現時点で顧客からの問い合わせや被害の報告は寄せられていない。
一関信用金庫は「お客様には多大なるご迷惑とご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。再発防止を徹底してまいります」との声明を出し、盛岡財務事務所に報告済みであることも明らかにした。
加えて、今回の件に便乗した特殊詐欺への注意も呼びかけており、専用の相談窓口を設置して顧客からの問い合わせに対応している。