2024.7.17 /

セキュリティeラーニングの選び方ガイド: あなたの組織に最適なプラットフォームを見つけるポイント

現代のビジネス環境では、情報セキュリティは組織の信頼性と成功を保つために不可欠です。セキュリティeラーニングを導入することで、従業員のセキュリティ意識を向上させるだけでなく、サイバー攻撃から組織を守るための実践的なスキルを提供できます。しかし、数多くのeラーニングプラットフォームが存在する中から最適なものを選ぶのは容易ではありません。本記事では、セキュリティeラーニングプラットフォームを選ぶ際の重要なポイントを解説します。

 

セキュリティeラーニングの概要と効果

セキュリティeラーニングとは、インターネットを通じて情報セキュリティに関する知識やスキルを学習できるシステムです。

 

例えば、企業が従業員向けに、パスワード管理の重要性やフィッシング詐欺の手口を解説するeラーニングを実施するケースがあります。従業員は、好きな時間に動画やクイズ形式で学習することで、セキュリティ意識を高め、サイバー攻撃から会社を守るための知識を身につけることができます。

 

このように、セキュリティeラーニングは、時間や場所を選ばずに効率的に学習でき、企業のセキュリティ対策として効果的です。

 

日本の企業が経験した深刻なセキュリティ事件

デジタル化が加速する現代、企業にとってサイバーセキュリティ対策は事業継続のために不可欠な要素となっています。しかし、その重要性を認識しながらも、具体的にどのようなリスクがあるのか、実感として捉えきれていないケースも少なくありません。

 

事例1. カプコン:ゲーム情報流出、巨額の身代金要求 (2020年)

大手ゲーム会社カプコンは、ランサムウェア攻撃を受け、顧客情報や開発中のゲーム情報など、膨大なデータが流出しました。攻撃者は約11億円もの身代金を要求し、カプコンは支払いを拒否しましたが、結果的に一部情報が公開される事態となりました。

教訓: サイバー攻撃は、企業の機密情報だけでなく、顧客や取引先の情報も危険にさらし、経済的損失だけでなく、社会的信用を失墜させるリスクも孕んでいます。

 

事例2. ベネッセコーポレーション:顧客情報流出、約3504万人分のデータが被害に (2014年)

教育事業大手のベネッセコーポレーションは、システム開発を委託していた関連会社から顧客情報が不正に持ち出され、約3504万人分の個人情報が流出しました。この事件は、委託先企業におけるセキュリティ対策の不備が招いた結果であり、サプライチェーン全体でのセキュリティ対策の重要性を浮き彫りにしました。

教訓: 企業は、自社だけでなく、取引先企業も含めたサプライチェーン全体でセキュリティ対策を徹底する必要があります。

 

事例3. 日本年金機構:個人情報流出、約125万件の情報が不正アクセス被害に (2015年)

日本年金機構では、職員が業務用端末にマルウェア入りメールを開封したことをきっかけに、約125万人分の個人情報が流出しました。これは、セキュリティ意識の低い従業員が、標的型攻撃メールの被害に遭った典型的な例と言えるでしょう。

教訓: 従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることが、サイバー攻撃のリスクを低減するために非常に重要です。

 

事例4. 三菱電機:サイバー攻撃を受け、防衛関連情報を含む機密情報が流出 (2020年)

大手電機メーカーの三菱電機は、中国系ハッカー集団によるサイバー攻撃を受け、防衛関連情報を含む機密情報が流出した可能性が浮上しました。この事件は、国家レベルの機密情報もサイバー攻撃の標的となり得ることを示しており、経済安全保障の観点からも深刻な問題となっています。

教訓: 企業は、機密情報の重要度に応じて適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。特に、防衛やインフラ関連企業は、より高度な対策が求められます。

 

事例5. 東京証券取引所:システム障害で終日取引停止、原因は機器の故障と設定ミス (2020年)

東京証券取引所では、システム障害が発生し、終日取引が停止する事態に陥りました。原因は、機器の故障と設定ミスによるもので、サイバー攻撃ではありませんでしたが、企業活動に多大な影響を与えました。

教訓: 企業は、システムの安定稼働を維持するため、適切なシステム設計・運用、そしてセキュリティ対策が必要です。

 

セキュリティeラーニングで、企業を守る「人の壁」を作る

これらの事例から、企業がサイバー攻撃から身を守るためには、技術的な対策だけでなく、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることが不可欠であることがわかります。

セキュリティeラーニングは、時間や場所を問わず、従業員それぞれが自分のペースで、最新のセキュリティ知識や対策方法を学ぶことができます。

企業は、セキュリティeラーニングを積極的に導入することで、従業員のセキュリティリテラシーを高め、企業全体でサイバー攻撃に強い組織作りを目指していくべきです。

 

効果的な学習環境を構築するためのポイント

1. セキュリティeラーニングの必要性を理解する

まず、セキュリティeラーニングを導入する目的を明確にしましょう。一般的に考慮すべきポイントは以下の通りです

  • サイバー脅威の増加
    組織がサイバー攻撃のリスクに直面していること。
  • 法規制とコンプライアンス
    GDPRやISO/IEC 27001などの規制に準じること。
  • 従業員のセキュリティ意識の向上
    セキュリティに関する知識を全社的に浸透させること。

 

2. 学習コンテンツの質と多様性

セキュリティeラーニングプラットフォームを選定する際には、提供される学習コンテンツの質と多様性が重要です。以下の点を確認しましょう

  • 包括的なテーマ
    パスワード管理、フィッシング対策、データ保護など、基本から高度な内容まで幅広いトピックをカバーしているか。
  • 最新情報
    サイバー脅威は進化しています。最新の情報に基づいたコースが定期的に更新されているか確認しましょう。
  • インタラクティブ性
    効果的な学習を促進するためのインタラクティブな要素(クイズ、シミュレーションなど)が含まれているか。

 

3. カスタマイズ性

各組織には特有のニーズがあります。そのため、セキュリティeラーニングプラットフォームがカスタマイズ可能であるかどうかも重要なポイントです。

  • 企業のロゴやブランド
    組織のロゴやブランドカラーを取り入れることができるか。
  • コース内容の編集
    必要に応じて、独自のコンテンツを追加したり、既存のコースを修正することができるか。

 

4. トラッキングと評価機能

学習進捗を追跡し、各従業員の理解度を評価する機能も必須です。

  • 進捗管理
    学習進捗をリアルタイムで追跡できる機能。
  • 評価テスト
    学習後のテストで理解度を評価し、フィードバックを提供する機能。

 

5. プラットフォームの使いやすさ

プラットフォームが使いやすく、直感的であることは、従業員が学習に積極的に取り組むための重要な要素です。

  • ユーザーフレンドリー
    インターフェースが直感的であるか。
  • アクセスのしやすさ
    PCだけでなく、スマートフォンやタブレットを使用して学習できるか。

 

6. 価格とコストパフォーマンス

セキュリティeラーニングプラットフォームの価格は多岐にわたりますが、コストパフォーマンスも重要な要素です。

  • 初期費用とランニングコスト
    初期設定費用や月額費用、追加費用が適正であるか。
  • 無償トライアル
    多くのプラットフォームは無償トライアルを提供しています。トライアル期間を利用して、実際に使い勝手や効果を確認しましょう。

 

7. サポートと導入支援

プラットフォームの導入と運用に際して、充実したサポートとトレーニングが提供されているかを確認しましょう。

  • サポート体制
    導入初期から運用フェーズまでのサポート体制が整っているか。
  • トレーニング
    管理者や利用者向けのトレーニングが実施されているか。

 

8. ユーザー評価とレビュー

他の企業やユーザーの評価やレビューも参考になります。実際の使用感や経験を知ることで、選定の際の判断材料としましょう。

  • レビューサイト
    信頼性のあるレビューサイトをチェック。
  • ケーススタディ
    プラットフォーム提供者が公開している導入事例やケーススタディを確認。

 

まとめ

セキュリティeラーニングプラットフォームを選ぶ際には、学習コンテンツの質と多様性、カスタマイズ性、トラッキングと評価機能、使いやすさ、価格、サポート体制、そしてユーザー評価など多岐にわたる要素を考慮することが重要です。

これらのポイントを踏まえた上で、あなたの組織に最適なセキュリティeラーニングプラットフォームを見つけてください。継続的なセキュリティ教育は、組織の安全性を高めるための重要な投資となるでしょう。

弊社のeラーニングプログラムはセキュリティ全般の初心者レベルではなく、サイバーセキュリティ・サイバー攻撃に対応する知識習得を中心に、プラスセキュリティ人材を目指されるかたや、システム部門/セキュリティ部門に配属となる方などに最適です。

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