2025.2.4 /

建設・職業の企業、1万名以上の個人情報を不正取得 法令違反と勧告【個人情報保護委員会】

個人情報保護委員会は1月29日、建設業界の職業紹介や転職支援を行う株式会社ビーバーズ(東京都渋谷区)に対し、個人情報保護法に基づく勧告を行った。
調査によると、ビーバーズは建設現場監督者ら1万名以上の個人情報を不正な手段で取得していたとして法令違反が認定されている。

ビーバーズは2023年4月頃から、以下の方法で個人情報を収集していたとされている。

・建設現場に掲示された法定標識や、公共工事の入札・落札情報検索サイトなどの公開情報を基に建設会社従業員の情報を入手
・その情報を基に建設会社に電話をかけ、架空の事業者名を名乗った上で虚偽の事実を伝え、現場監督者の携帯電話番号を取得
・具体的には、「貴社の××工事の現場監督である○○さんから弊社に電話で問い合わせがあり、折り返しの連絡をお願いしたい」「貴社の工事現場の近くで別の工事を行うため、現場監督の○○さんに連絡を取りたい」などと説明し、電話応対者から情報を引き出していた。

個人情報保護法違反と勧告内容

個人情報保護法第20条第1項では、「偽りその他不正の手段」による個人情報の取得を禁止している。
ビーバーズの手法はこれに違反していると認定され、個人情報保護委員会は以下の勧告を行っている。

・違法に取得した個人情報を全て消去すること
・同様の違反行為を防止するための対策を策定し、実施すること
・2月28日までに、取得状況、違法に取得した個人情報の利用および消去の状況、再発防止策の策定・実施状況について報告すること

ビーバーズの対応

ビーバーズは1月29日、勧告を受けたことを公表。
「事実を真摯に受け止め、深くお詫び申し上げる」とのコメントしている。
すでに修正報告を行ったが、外部アドバイザーを交えて再調査を実施し、個人情報保護委員会の求めに適切に対応するとのことで、コンプライアンスの遵守状況を見直し、ガバナンス体制の強化に努める方針を示している。

【参考記事】
https://www.ppc.go.jp/news/press/2024/250129_02_houdou/

SHARE

CYBER NEWS LIST

CONTACT

お問い合わせはこちらから