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2024.3.7 /
ランサムウェアとは?対策を検討するためのポイントを解説
ランサムウェアとは何か?感染するとファイルを暗号化して身代金要求をされるマルウェア。最新の攻撃手法とその対策についてまとめました。
ランサムウェアとは
ランサムウェアは現代のサイバーセキュリティの主要な脅威の一つです。このマルウェア(悪意のあるソフトウェア)のタイプは、個人、企業、さらには政府機関のコンピューターシステムやデータを人質に取り、それを解放するために身代金を要求することで知られています。ランサムウェア攻撃は日々進化し、その防御には常に注意が必要です。
ランサムウェアの特徴
ランサムウェアには下記のような特徴があります。
- 暗号化
ランサムウェアは感染したデバイス上のファイルを暗号化し、被害者が自分のデータにアクセスできないようにします。 - 身代金の要求
攻撃者は復号化キーを提供する代わりに、通常はビットコインなどの匿名性が高い仮想通貨で身代金を要求します。 - 支払いの期限設定
身代金の支払いには期限が設けられ、期限を過ぎるとファイルが永久に失われるか、身代金が増加する可能性があります。 - 脅迫と恐怖
ランサムウェアは心理的な圧力を利用し、被害者が速やかに身代金を支払うよう促します。 - 拡散手法
フィッシングメール、悪意のある広告、ソフトウェアの脆弱性を利用して、さまざまな方法で拡散します。
ランサムウェアの感染経路
ランサムウェアはいくつかの一般的な経路を通じてデバイスに侵入することが知られています。個人や企業がランサムウェアの感染リスクを理解し、適切な予防策を講じることが重要です。
- フィッシングメール
ランサムウェアの最も一般的な感染経路の一つは、フィッシングメールです。これらのメールは、正当なものに見せかけて、添付ファイルやリンクを通じてマルウェアを拡散します。
- オンライン広告
オンライン広告を介してランサムウェアが拡散されることもあります。これらの広告は、ユーザーがクリックするとマルウェアのダウンロードが開始されることがあります。
- 脆弱性の利用
ソフトウェアやオペレーティングシステムのセキュリティ上の脆弱性を悪用することで、攻撃者はランサムウェアをシステムに侵入させることができます。
- ダウンロードされた悪意のあるファイル
信頼できないソースからのダウンロードされたファイル(ソフトウェア、音楽、ビデオなど)も感染の原因となることがあります。
- ネットワーク経由の感染
一度感染すると、ランサムウェアはネットワークを介して他のデバイスにも拡散することがあります。
ランサムウェアの被害とリスク
ランサムウェアに感染した場合の被害内容も様々です。代表的なものとしては下記のようなものがあります。
- データの損失
暗号化されたデータはアクセス不可能になり、重要な情報の損失につながります。
- 財務的損失
身代金の支払いによる直接的な損失の他、攻撃による業務の中断も経済的損失を引き起こします。
- 信頼性の損失
企業がランサムウェア攻撃を受けた場合、顧客やパートナーの信頼を損なう可能性があります。
- 法的責任
データ漏洩に関連する法的責任や規制違反により、追加的な費用や罰則が課されることがあります。
- 業務の中断
システムが利用不能になることで、業務が停止し、生産性が低下します。
ランサムウェアの代表的な種類
- CryptoLocker
CryptoLockerは、2013年に最初に発見された暗号化型ランサムウェアです。Microsoft Windowsを搭載したコンピュータを標的とし、感染したコンピュータ内のファイルを暗号化して、復号キーと引き換えに身代金を要求します。
- Petya
Petyaは、特に有名なランサムウェアの一種で、2016年に初めて出現しました。このランサムウェアは他の一般的なランサムウェアとは異なり、単にファイルを暗号化するのではなく、Windowsの起動プロセスを攻撃することによって、被害者のコンピュータ全体を不可逆的にロックする特徴があります。
- WannaCry
WannaCryは、2017年5月に発生した大規模なランサムウェア攻撃です。Microsoft Windowsを搭載したコンピュータを標的とし、感染したコンピュータ内のファイルを暗号化して、復号キーと引き換えに身代金を要求しました。WannaCryは、Windowsの脆弱性を突いた攻撃で、世界中で150か国以上のコンピュータに感染し、被害総額は数十億円に上ると推定されています。
- LockBit
LockBitは、2019年に初めて発見された暗号化型ランサムウェアです。Microsoft Windowsを搭載したコンピュータを標的とし、感染したコンピュータ内のファイルを暗号化して、復号キーと引き換えに身代金を要求します。LockBitは、2022年に最も多くの被害をもたらしたランサムウェアとして報告されています。世界中の企業や組織が被害を受け、被害総額は数十億円に上ると推定されています。
- Conti
Contiは、2020年に初めて発見された暗号化型ランサムウェアです。Microsoft Windowsを搭載したコンピュータを標的とし、感染したコンピュータ内のファイルを暗号化して、復号キーと引き換えに身代金を要求します。
ランサムウェア対策の重要性
ランサムウェアは、データやシステムを人質に取り、解放のために身代金を要求するサイバー攻撃です。データの損失、財務的損害、信頼性の低下を引き起こし、ビジネスの運営を脅かす可能性があるため、企業にとって最優先の対策課題になっています。
ランサムウェア対策の具体的手法
ランサムウェアは、データを暗号化し身代金を要求するサイバー攻撃で、個人や企業に甚大な損害を与える可能性があります。これに対処するためには、予防と対策が重要です。
まず、定期的なデータバックアップが最も効果的な対策の一つです。重要なファイルは外部ドライブやクラウドサービスにバックアップし、ランサムウェア感染時でもデータを失わないようにします。次に、オペレーティングシステムやソフトウェアのセキュリティアップデートを定期的に行い、既知の脆弱性を修正することが重要です。
また、信頼できるアンチウイルスソフトウェアを使用し、リアルタイムでの監視と定期的なスキャンを行うことが推奨されます。フィッシングメールに対する警戒も必要で、不審なリンクや添付ファイルを開かないようにしましょう。
従業員へのサイバーセキュリティ教育も不可欠です。ランサムウェアの危険性や識別方法について教育し、意識を高めることで、組織全体のセキュリティレベルを向上させることができます。
さらに、ネットワークのセキュリティを強化し、不審なトラフィックを検知するための対策を講じることが重要です。これには、ファイアウォールの設定や侵入検知システムの導入が含まれます。
これらの対策を講じることで、ランサムウェアによるリスクを最小限に抑え、もし感染しても迅速に対応できるようになります。サイバーセキュリティは進化し続ける分野であり、最新の脅威や防御手法について常に情報を更新し続けることが不可欠です。
ランサムウェア対策のテクノロジーとツール
ランサムウェアは、データを暗号化し身代金を要求する悪質なサイバー攻撃です。この脅威から身を守るためには、効果的なセキュリティツールの選択が不可欠です。以下に、ランサムウェア対策に特化したセキュリティツールを紹介します。
- EDR
サイバーセキュリティの分野で急速に重要性を増しているツールです。EDRは、企業のネットワークに接続されたデバイス(エンドポイント)でのサイバー脅威をリアルタイムで検出、分析、そして対応する技術です。ランサムウェアなどの高度な脅威に対して、EDRは特に有効です。
EDRシステムは、異常な動作やパターンを監視し、潜在的な脅威を早期に特定します。ランサムウェアがエンドポイントに侵入した場合、EDRはその活動を追跡し、感染の拡大を防ぐために迅速な対応を行います。また、EDRは攻撃の原因や影響を詳細に分析し、将来のセキュリティ対策の強化に役立つ情報を提供します。
- ネットワークセキュリティ
ネットワークセキュリティは、ランサムウェアなどのサイバー脅威から組織を守るために不可欠な役割を果たします。ランサムウェアはデータを暗号化し身代金を要求する攻撃であり、ネットワークセキュリティの強化によりこれを防ぐことが可能です。
ネットワークセキュリティの主な機能は、不正アクセスや疑わしいトラフィックの監視とブロックです。ファイアウォール、侵入検知システム(IDS)、侵入防止システム(IPS)などのツールは、ネットワークへの不審なアクセスを検出し、ランサムウェアの侵入を未然に防ぎます。また、これらのシステムはネットワーク内の異常な動きやデータ流れを監視し、早期に警告を発することで、攻撃が拡大する前に対応を可能にします。
- バックアップソリューション
バックアップソリューションはランサムウェア対策において非常に重要です。ランサムウェアはデータを暗号化し、復元のために身代金を要求します。この脅威に対して、定期的なデータバックアップは、感染後の影響を大幅に軽減します。
バックアッププロセスでは、重要なファイルやシステムのコピーを別の場所(例えばクラウドストレージや外部ドライブ)に保存します。これにより、ランサムウェアによって元のデータがアクセス不能になった場合でも、バックアップからデータを復元することが可能になります。
そのほかにもランサムウェア対策に有効なセキュリティツールやソリューションがありますが、どのような対策が適しているのか状況によって異なりますので、ぜひ一度バルクのコンサルティングに相談ください。
最新のランサムウェア ノーウェアランサム
ノーウェアランサムとは、従来のランサムウェアがデータを暗号化して身代金を要求するのに対し、データを暗号化せずに、そのデータを公開すると脅して身代金を要求するランサムウェアの一種です。
ノーウェアランサムの被害を受けた場合、データは復号されず、公開される可能性があります。そのため、企業や組織にとっては、金銭的な損失だけでなく、ブランドイメージの低下や顧客からの信頼の失墜など、多大な被害をもたらす可能性があります。
ノーウェアランサムの感染経路は、従来のランサムウェアと同様、フィッシングメールや感染したWebサイトからのダウンロードなどです。また、脆弱性を突いた攻撃によって感染するケースもあります。
まとめ
ランサムウェアはハッカーが企業から効率的に収益を獲得する手段になっており、手口も日々進化しています。対策も日々変化しますので、お困りの企業様はぜひバルクへご相談ください。
弊社では、最新のサイバーセキュリティ対策支援など、あらゆる角度から柔軟にお客様のセキュリティ対策をサポートしています。
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