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2024.3.7 /
脅威インテリジェンスとは何か?その種類と必要性を解説
近年、デジタル空間での脅威が急速に進化しており、その対策として「脅威インテリジェンス」が注目を集めています。
脅威インテリジェンスは、サイバーセキュリティ分野で使用される重要な概念の一つとして使われていますが、いまいちピンとこない方も少なくないでしょう。
ここでは脅威インテリジェンスについて深掘りし、その種類や重要性、法人と個人での必要性といった内容でご紹介していきます。
脅威インテリジェンスとは何か?
脅威インテリジェンスとは、サイバー攻撃やセキュリティ侵害の可能性を事前に把握し、対策を講じるための情報収集や分析を行うプロセスを指します。
「脅威インテリジェンス」という用語は、脅威(Threat)とインテリジェンス(Intelligence)の組み合わせで構成されており、サイバー空間における様々な脅威に対処するための情報を指します。
そもそも、なぜこのような用語が使われているのでしょうか?
考えられる理由を、順を追ってご紹介していきましょう。
脅威の理解と対策
「脅威」とは、セキュリティに対する悪意ある意図や危険性を指します。
これは、サイバー攻撃やマルウェア、不正アクセス、データ漏洩など、さまざまな形態を取り得ます。
脅威に対する理解が不足していると、組織や個人は効果的な対策を講じることが難しくなります。
インテリジェンスの重要性
「インテリジェンス」は、情報を収集、分析、利用可能なデータから洞察を得るプロセスを指します。
サイバーセキュリティにおいては、攻撃者の手法や脆弱性、新たな脅威の傾向に対する情報を事前に把握し、それに基づいて対策を講じることが極めて重要となります。
継続的な脅威の進化
サイバー犯罪者は常に新しい手法を模索し、セキュリティ技術も進化しています。
こうした状況下で、受け身のセキュリティ対策だけでは対応が難しくなります。
脅威インテリジェンスは、継続的な学習と情報更新を通じて、組織や個人が迅速に変化する脅威に対抗する手助けになるのです。
先制的な対策
脅威インテリジェンスは、予測的な対策を可能にします。
過去の攻撃の傾向や攻撃者の動向を分析することで、未知の脅威にも対処する準備ができるのです。
これにより、先制的なセキュリティ対策を講じ、被害を最小限に食い止めることが期待されます。
「脅威インテリジェンス」という用語は、サイバーセキュリティにおいて脅威に対する知識を継続的に収集・分析し、それを有効に利用することでセキュリティを向上させるために使用されています。
組織や企業は未然に対策を講じ、サイバー攻撃の被害を最小限に食い止めることにつながるのです。
続いて、脅威インテリジェンスには様々な種類に分類されています。
次項でもう少し深く内容を掘り下げていきます。
脅威インテリジェンス、4つの種類
脅威インテリジェンスにはいくつかの種類があり、戦術的な情報から戦略的な情報まで、様々な観点から分類されます。
具体的な攻撃手法や攻撃者のモチベーションに基づいて、情報を整理することが重要とされており、どのような種類があるのか4つの具体例を挙げて順次探っていきます。
1. 戦術的な脅威インテリジェンス
戦術的な脅威インテリジェンスは、特定の攻撃手法や攻撃者の行動に焦点を当てた情報を提供します。
例えば、フィッシング攻撃やランサムウェア、特定のマルウェアの動向、特定の攻撃者グループの活動に関する情報がこれに該当します。
攻撃者の手口や行動パターンを把握しておくことで、組織は具体的な脅威に対する迅速な対応が可能となるのです。
2. 戦略的な脅威インテリジェンス
戦略的な脅威インテリジェンスは、広範囲かつ将来的な視点からの情報を提供します。
これには、産業全体や地域における傾向やサイバー攻撃の進化など、長期的な視点が含まれます。
例えば、特定の国や産業で増加しているサイバー攻撃の傾向に関する情報が戦略的な脅威インテリジェンスの一例です。
3. 技術的な脅威インテリジェンス
技術的な脅威インテリジェンスは、具体的な技術や脆弱性に焦点を当てた情報を提供します。
これには新たな脆弱性やセキュリティの欠陥に関する情報が含まれます。
例えば、新たに発見されたゼロデイ脆弱性や、特定のソフトウェアやプロトコルに関する脅威情報が技術的な脅威インテリジェンスに該当します。
4. インシデントベースの脅威インテリジェンス
インシデントベースの脅威インテリジェンスは、既知のセキュリティインシデントから学ぶ情報を提供します。
これには、特定の組織や業界で発生したサイバー攻撃や侵害に関する事例研究が含まれます。
被害実例は、他の組織にとって同様の手法から学び、未然に対策を講じる上で非常に有用な情報となります。
脅威インテリジェンスは多岐にわたる情報を提供し、組織や企業がサイバー脅威に対抗するための戦略を構築するのに欠かせません。
先に挙げた戦術的、戦略的、技術的、インシデントベースそれぞれを分類した環境づくりに焦点を当てることで、より包括的で効果的なセキュリティ対策が可能となります。
個人と法人それぞれにおける脅威インテリジェンス
情報流出や機密保持に関わるコンプライアンスが高まる昨今において、脅威インテリジェンスの必要性は、企業組織だけにとどまらず個人においても非常に重要と言えます。
本項では、個人と法人それぞれにおける脅威インテリジェンスの必要性をご紹介していきます。
◇個人の視点から見た脅威インテリジェンスの必要性
個人が脅威インテリジェンスを必要とする背景には、主に個人情報の保護とサイバー犯罪から身を守るための需要があります。
中でも、個人情報の保護は必須です。
個人情報はサイバー犯罪者にとって価値があり、それを不正に入手・悪用するケースは後を絶つどころか増加の一途です。
脅威インテリジェンスを活用することで、個人は自身のオンラインアクティビティを監視し、潜在的な脅威から身を守る手段を得ることができます。
また、サイバー犯罪からの保護の観点からも必要性があります。
フィッシング詐欺やマルウェアによる攻撃など、サイバー犯罪は巧妙化しています。
脅威インテリジェンスを理解することで、悪意ある活動に注意を払うことができるようになり、セキュリティの強化につながるのです。
◇法人の視点から見た脅威インテリジェンスの必要性
一方の法人においても、個人と同様に脅威インテリジェンスは無論不可欠ですが、その焦点や要因はやや異なります。
まずは、ビジネスの継続性と信頼性に関わる点です。
法人は企業機密や顧客情報を保有しており、それらが流出することは致命的な損害をもたらします。
脅威インテリジェンスを導入することで、早期に潜在的な攻撃を検知し、対策を講じることができ、ビジネスの継続性と信頼性を守ることとなります。
次に、法的コンプライアンスの確保です。
法人は様々な法的規制やコンプライアンスに従う必要があります。
脅威インテリジェンスは法的要件を満たすためにも重要であり、セキュリティ対策の一環として対外的にも効果が期待されます。
競争優位性の確立にもつながる点も考えられます。
サイバー攻撃は競争が激化するビジネス環境において、企業にとって深刻なリスクです。
脅威インテリジェンスを活用することで、他社よりも早く新たな脅威に対応し、競争優位性を確立することにもつながるでしょう。
脅威インテリジェンスが、個人・法人問わずサイバー脅威に対抗するための不可欠な手段であることを感じていただけたのではないでしょうか。
個人は自身の情報を守り、サイバー犯罪から身を守るために活用し、法人はビジネスの安定性と競争優位性を確保するために導入されます。
まとめ
デジタル社会において、サイバー脅威が急速に進化している今日、個人と法人の双方が脅威に対処するために欠かせないのが「脅威インテリジェンス」です。
このコラムでは、その概念、種類、重要性、そして個人と法人がそれぞれどのように取り組むべきかを紐解いてきました。
個人は自己防衛と情報保護のために、法人はビジネスの安定性と法的要件の遵守のために導入します。
いずれの情報も適切に取り扱う上で、PマークとISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の重要性とも連動しています。
(ISMSの規格『JISQ27001:2023』では、脅威のインテリジェンスという管理策が明記され、情報セキュリティ上の脅威に関する情報を収集・分析して、自社のセキュリティ対策に役立てるというサイクルを回す必要が発生)
Pマークは個人情報の適切な取り扱いを示し、ISMSは組織が情報セキュリティを管理するための国際標準です。
脅威インテリジェンスを通じて、安心してデジタル空間を活用するためには、これらの取り組みが一体となっていることが不可欠です。
弊社ではPマークやISMSの取得・運用・更新などについて豊富なメニューをそろえたコンサルティングをご用意しています。
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