2024.3.7 /

「フィッシングメールを開いてしまったら…」起こり得るリスクと対策4選

現代社会において、デジタルテクノロジーの進化とともに新たな脅威が増えています。

その中でも、フィッシングメールは巧妙な手法で個人情報を狙い、被害をもたらすリスクがあります。

今回はフィッシングメールを開いた際に起こり得るリスクを4つ挙げ、実際に被害へ発展してしまった場合の対応、そして被害に遭わないための対策を順次ご紹介していきます。

 

【フィッシングメールの現状、開いてしまったら起こる4つのリスク】

フィッシングメールとは、見た目が信頼できる企業や機関から送られてきたかのように偽装された電子メールのことを指します。

この手法は、巧妙に仕組まれたリンクや添付ファイルを介して、ウイルスやマルウェアをユーザーのコンピュータに侵入させることを目的としており、開封してしまった場合に情報漏洩の危険性が高まります。

また一部のフィッシングメールは、ユーザーが提供した個人情報を不正に入手し、それを悪用して不正アクセスを試みることがあります。

これにより、クレジットカード情報や銀行アカウントなどの貴重なデータが流出する可能性があります。

4つの実例を挙げてご紹介しましょう。

個人情報の盗難

フィッシングメールには、巧妙に仕込まれたリンクが含まれていることがあります。

ユーザーがそのリンクをクリックすると、偽装されたウェブサイトに誘導され、個人情報の入力が求められます。

これにより、クレジットカード情報、銀行アカウント情報、パスワードなどがサイバー犯罪者に盗まれる可能性があります。

オンラインアカウントの不正アクセス

フィッシングメールによってユーザーのログイン情報が詐取されると、サイバー犯罪者はオンラインアカウントに不正アクセスできます。

これにより、メールアカウント、ソーシャルメディアアカウント、オンラインバンキングなどが乗っ取られ、不正利用の可能性が高まります。

ウイルスやマルウェアの感染

フィッシングメールには悪意ある添付ファイルが含まれていることがあります。開いてしまうと、ウイルスやマルウェアがコンピュータに感染し、個人のデータや企業の機密情報が漏洩する危険性があります。

これにより、システムが乗っ取られたり、機密情報が第三者に流出したりする可能性があります。

ランサムウェアの脅威

フィッシングメールを介して、ユーザーが悪意あるリンクをクリックした場合、ランサムウェアがコンピュータに侵入することがあります。

ランサムウェアはファイルを暗号化し、サイバー犯罪者は被害者に身代金を要求します。この脅威は個人だけでなく、企業にとっても致命的なものとなり得ます。

これらの実例は、フィッシングメールがどれほど深刻なセキュリティリスクを引き起こす可能性があるかを示しています。

したがって、慎重なメールの取り扱い、リンクや添付ファイルの確認、セキュリティ対策の強化が重要です。

次は、これらの例に実際遭遇してしまった際に取れる対策について順次ご紹介していきます。

 

【実際に被害に遭遇した場合の対応方法】

100%のセキュリティ対策は存在しません。

日ごろから対策していたとしても、わずかな隙を突かれて被害に遭うことは考えられます。

先ほどご紹介した4つの事例ごとに、実際被害に遭ってしまった際の対応についてご紹介します。

個人情報の盗難が疑われる場合

まずは速やかに関係各所に状況を通知します。

続いて銀行やクレジットカード会社にも直ちに連絡を入れ、疑わしい取引やアクティビティがないか確認します。

同時に被害のあったアカウントはパスワード変更を行いましょう。

オンラインアカウントの不正アクセスが発生した場合

直ちにプロバイダーに通報を行います。

メールやソーシャルメディアのアカウントに不正アクセスがあれば、該当するプロバイダーやプラットフォームに報告し、アカウントのロックやセキュリティ回復手続きを進めます。

続いて影響が懸念される他のアカウントも確認してください。

同じパスワードを使っている他のアカウントはないか確認し、必要に応じてパスワード変更します。

ウイルスやマルウェア感染の疑いがある場合

影響を受けたデバイスのセキュリティソフトウェアを利用します。

インストールされているセキュリティソフトウェアでシステムスキャンを実施し、悪意あるプログラムの検出と削除を進めます。

同時に保存されているファイルの状況を確認します。

意図しない不正な変更や、見慣れないプログラムがないか確認し、疑わしいものは専門家に相談してください。

ランサムウェアに感染した場合

最も重要なのは報告と相談です。

インシデントを即座に所轄のセキュリティ担当者や組織のITサポートに報告し、法執行機関にも通報してください。

また、暗号化されたファイルは可能であればバックアップから復元を行います。

いずれのケースも、重要なのは情報伝達を速やかに行うことです。

自己判断で対処しようとせず、専門家や組織のサポートを受けるよう心掛けておくことが必要です。

また、実害が発生した際に即座に対応できる環境づくりと、日頃からのトレーニングは非常重要と言えるでしょう。

次は、項目ごとに取れる事前対策についてご紹介していきます。

 

【フィッシングメール被害に遭わないための事前対策方法】

フィッシングメールを開いてしまった場合に起こるリスクと、実害についてそれぞれ4つご紹介してきました。

ここからは、リスク回避につながる方法をいくつかご紹介していきます。

個人情報の盗難への対策

リンクや添付ファイルを開く前に、メールの差出人情報を確認するし、不審なメールは慎重に扱い、差出人が正規のサービス提供者であるか確認するようにします。

少しでも不審だと判断した場合は開かず削除します。

また、クレジットカード情報や銀行アカウント情報などの機密情報は、メールを通じて提供しないことに気を付けるべきです。

オンラインアカウントの不正アクセスへの対策

パスワードの強化と定期的な変更が必要です。

パスワードは複雑で予測しにくいものに設定し、生年月日や単語だけでなく、大文字や小文字、記号も組み合わせて作成することを心掛けてください。

オンラインアカウントには、できるだけ二段階認証を設定します。

二段階認証による本人確認の追加セキュリティを設けることで、不正アクセスのリスクは軽減できます。

ウイルスやマルウェアの感染への対策

当たり前といえるかもしれませんが、セキュリティソフトの導入は重要です。

ただし、ただ導入するだけではなくソフトウェアを最新の状態に保ち、定期的なスキャンを実施することが望ましいです。

使用するパソコンやスマートフォンには信頼性の高いセキュリティソフトを導入し、定期的な更新とスキャンを行いましょう。

感染しないためには、やはり不明な添付ファイルやリンクを開かないようにし、信頼性のある情報源であることを確認してください。

また、メールのプレビュー機能を無効化しておくことも推奨されています。

ランサムウェアの脅威への対策

バックアップの定期的な作成と、重要なデータは保護できる環境が必要です。

不明なメールに含まれたリンクはクリックせず、疑わしいメールを即座に削除してください。

また、インターネット接続を使用するデバイスに対してはファイアウォールを有効にすることも効果があります。

メールの慎重な取り扱い: 不審なメールに添付されたリンクを絶対にクリックしないようにしましょう。

特に、不明な差出人からのメールには注意が必要です。

定期的なバックアップ: 大切なデータは定期的にバックアップを取りましょう。ランサムウェアに感染してもデータを復元できます。

いずれの項目にも共通する対策方法は、「不審なメールは開かない」という点です。

自己判断に迷う場合は、IT担当者や専門知識のある方に確認するようにしてください。

 

【まとめ】

デジタルテクノロジーの進化により、フィッシングメールは巧妙な手法で個人情報を狙い、深刻な脅威となっています。

実例を挙げたリスクを考えると、慎重なメールの取り扱いとセキュリティ対策の強化が不可欠と言える状況となっており、もはや個人も企業も関係なくセキュリティ意識を高めて定期的なトレーニングを行うことが求められます。

また、PマークやISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の導入も有効です。

Pマークは、個人情報の適切な取り扱いを示すマークであり、企業が情報セキュリティに対して適切な対策を講じていることを示すものです。

ISMSは、情報セキュリティに関する国際的な標準を満たすためのマネジメントシステムであり、組織全体で情報セキュリティに対する取り組みを体系的に行うことが可能です。

つまり、組織がPマークやISMSの導入を進めることで、組織の情報セキュリティ体制を強化され、フィッシングメールがもたらすセキュリティリスクの低減に繋がります。

弊社ではPマークやISMSの取得・運用・更新などに合わせて、どのような教育・訓練が必要なのか、豊富なメニューをそろえたコンサルティングをご用意しています。お気軽にお問合せください。

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